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第16回「辛いは美味い」その3

 今回は昨年1011日以来の「辛いは美味い」唐辛子編である。今回は国内、海外1アイテムずつだ。国内は辛さ、海外は旨みで勝負だ。


和風激辛ソース雷 金/「かんずり」と「キャロライナ・リーパー」の最強コラボ

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新潟県妙高市にある㈲かんずりはその名の通り、妙高地方に伝わる郷土食品「かんずり」を主力商品とする食品メーカー。「かんずり」を商標登録している。

「かんずりは、妙高市産の肉厚の唐辛子を雪の中に晒して、それに糀と柚子、食塩を加えて、寒中に仕込むので『寒造里』と書くとも言われています。これをさらに3年以上、熟成発酵を行った後、お客様の元に届けます。かんずりは戦国時代、上杉謙信の世から伝わると聞いています」

同社では811月に地元妙高市産の唐辛子を国産の塩で漬け、12月に雪晒し。これに国産の糀、塩、高知県産の柚子を加えて、23月に元仕込み。そこから3年間、熟成発酵を行う。

「添加物を一切使用しない旨味のある香辛調味料として、地元新潟のみならず広く全国でご利用いただいています」

その同社は新商品開発にも積極的な企業だ。2002年頃の話だ。当時、知る人ぞ知る激辛唐辛子に「ハバネロ」があった。同社は種を入手し、かんずりの唐辛子の栽培を委託している妙高市の契約農家に栽培を依頼、収穫されたハバネロを新商品開発に生かした。『和風激辛ソース雷』シリーズだ。

「開発のきっかけはシンプルなものでした。唐辛子メーカーなので、国内外の唐辛子関連の情報には常にアンテナを張っていて、かんずりで使用する唐辛子以外の唐辛子を栽培して、新しい商品を開発しようというものでした」

「かんずりに醤油、ハバネロを加えたタバスコタイプの商品です。タバスコと大きく違うのは酢を使ってないことから酸味がないこと、また醤油を使っているので和食にも合うことです。なによりも、旨味のあるかんずりがベースなので、単に辛いだけの激辛商品でないことが大きな特徴です」

まず『和風激辛ソース雷青』と同『赤』(どちらも容量60ml、税込希望小売価格540円。202341日現在)の2アイテムの開発に取り掛かった。『青』はまだ青い段階のハバネロを使っているので青苦さ、『赤』は熟したハバネロを使っていて、少し辛味が強い。

2002年秋にハバネロを収穫し、そこから開発がスタートしました。ハバネロはかんずりに使う唐辛子に比べて格段に辛さのレベルが上でしたので、むせたり目にしみたり、非常につらかったですね」。発売は20041月。

『赤』と『青』の発売からおよそ13年半が経過した20178月、『雷』シリーズの新アイテム『和風激辛ソース雷金』(容量60ml、税込希望小売価格864円。202341日現在)を発売した。

『金』の最大の特徴は唐辛子の辛さランキング第1位(2018年現在)の「キャロライナ・リーパー」を使用していることだ。ハバネロが25万スコヴィルなのに対して300万スコヴィルという格段に辛い唐辛子だ。

ユーザーからは、「超激辛の中にも旨味を感じるのは、かんずりが入っているからかな」、「ここまで辛いと使う量が少なくてコスパがいい」などの感想が寄せられているという。


●シラチャー・チリソース/辛みと旨みのバランスが抜群のタイ発調味料

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東南アジア・タイ発祥の唐辛子絡みの調味料で、タイでは知らぬ者がいないという超メジャーな調味料が「シラチャーソース」だ。

日本国内では様々なメーカーが発売している中で入手したのは、東南アジアの加工食品を輸入し高級スーパーや輸入食品専門店に卸すフジフードサービス㈱(東京都品川区西五反田)の『シラチャー・チリソース』(容量200ml、税込希望小売価格454円。202341日現在)。なお、同社では「シラチャー・チリソース」が商品名だ。

 とりあえず、プラスチック容器に装着されたスクイーズキャップを捻り、スプーンに注ぎ恐る恐る舐めた。うん、あれ? 確かに唐辛子の辛さだが、きつい辛さではない。その上、タバスコのような過剰な酸味もない。

 その代わりに、旨みが口の中に広がる。辛みと旨みのバランスがいい塩梅だ。タイ発の調味料ということから、東南アジアならではのスパイスの香りも予想していたが、それもない。作っておいたスクランブルエッグに掛けてみると、すっきりとした味わいで期待以上に相性が良い。

 「特別なものは使っていません。主原料は唐辛子、酢、ガーリック、砂糖です。でも、タイで最も濃厚な赤唐辛子を61%含有し、ガーリックもたっぷり詰め込んでいます」と同社。とはいえ、「シラチャー」とは聞き慣れない名前だ。

 「タイの首都バンコクから車で2時間ほど南下したところにある町の名前で、英文では『Sriracha』と書きます。1930年代にはこの町で使われていたソースです。今でもこの地域には多くの工場があって、メーカーごとの特色があるシラチャーソースが作られています」

 ネットで調べた由来を補足すると、これがアメリカにも輸出され、そのマイルドな辛さが肉料理や魚料理に合うことから爆発的な人気を博した。1980年代にアメリカでも製造されるようになった。今やアメリカ人の食生活には欠かせない調味料となった。

 「そのため、アメリカ由来の調味料と思っている日本人の方がかなりの数いらっしゃいます。弊社が輸入販売をスタートしたのが20046月で、シラチャーにあるサプライヤーから輸入しています。そして、その当時と比べると、現在は輸入量が約10倍になっています」

『シラチャー・チリソース』には姉妹商品が2アイテムある。『シラチャー・チリソース(スーパーホット)』は基本アイテムよりも唐辛子の含有量が多い一方で、ガーリックを使用していない。『シラチャー・チリソース(ガーリック)』は基本アイテムに比べて2倍強のガーリックを使用している。好みによって使い分けられるわけだ。どちらも容量200ml、税込希望小売価格475円。202341日現在)。

〈第15回/了〉


FROM THE WRITER

 アサヒが2つの食品コラムを連載しているスーパーマーケット専門誌『週刊ストアジャパン』313日号に、スーパーの「サミット」でどのような商品が人気か分かる記事が載った。それを転載する。

 サミットが毎年恒例で開催している「第43回サミット新商品人気コンクール」の入賞商品が決定した。228日には東京渋谷・セルリアンタワーにてコロナウイルス感染拡大以降、中止されていた入賞企業への感謝式が4年ぶりに開催された。


 同コンクールは1981年に“メーカーと消費者を結びつけること”が小売業の大切な役割であるという考えに基づき、お客様に優れた新商品を紹介し、各メーカーの新商品の開発努力に感謝することを目的にスタート。


 第43回となる今回は昨年1年間に販売した新商品の中からサミット消費者モニター約90名による人気投票で順位が決定。昨年までは5部門だったが「オリジナル半調理品(生鮮)」が追加され6部門での選出となっている。


 感謝式に登壇した服部哲也代表取締役社長は、

「コロナ禍で感謝式は3年間中止していたが、この間色々と考えることがあった。コンクールスタート当時とは世の中の状況、環境、生活者の価値観も大きく様変わり。もともとメーカー様に消費者の実際の声をお届けし、それを商品開発にお役立ていただけないかと、という想いで始まった。しかし時代が変わり、ITSNSなど発達、メーカー様のマーケティング力、商品開発力も向上。加えて単品が大量に売れる時代ではなく十人十色が、一人十色、百倍にもなる多様化の現代においてはコンクール自体も変わっていかなくてはならないと考えた。

 そこでこれまではメーカー様の商品を限定して対象としていたが、サミットの店内で製造する商品にも対象を広げた。全国区のコンクールという色は多少薄れたかもしれないが、その分サミットらしさを出すことができ、今の時代には合っているのではないか。来年以降も世の中の環境の変化に応じて、色々と加えながら継続、発展させていきたい」

 とコメント。


 各部門の1位は生鮮部門「濃厚ミルキーカシューナッツ」(神田興産)、オリジナル半調理品(生鮮)部門「レンジで簡単!生姜香る海鮮白湯鍋」(日本食研)、加工食品部門「かばさん印の万能たれ」(修善寺醤油)、菓子部門「KOIKEYA The 海老」、デイリー部門「天然国産真鯛の鯛めし」(マルハニチロ)、家庭用品部門「キッチンマジックリン 泡ジェット本体」(花王)が選ばれた。


週刊ストアジャパンのwebサイトのURLは以下の通り。

週刊ストアジャパン-トップ チェーンストアの最新情報サイト (sji.gr.jp)


アサヒ


by toshi2022asahi | 2023-04-01 09:51 | Comments(0)

フードライターの旭利彦です。 筆者はスーパーマーケット専門誌『週刊ストアジャパン』で、食品を紹介するコラム「注目! フーズ&ドリンクス」(月1回)を執筆しています。2012年にスタートし多くの加工食品を紹介してきました。 このブログでは加工食品をいろいろな視点から深掘りします。


by アサヒ