人気ブログランキング | 話題のタグを見る

第38回「韓国の有名鍋料理の素『李王家 スンドゥブチゲ』」

 20221011日更新の当コラム第2回、『「辛いは美味い」その1』でベトナムの調味料「サテトム」を紹介したが、その輸入販売会社、㈱アイ・ジー・エム(東京都港区芝)は、ベトナムとともに韓国を主力に日本の市場特性や消費者の嗜好に合わせて、海外の食品メーカーと連携しながら輸入する商品を製造する企業である。


 そこで今回は韓国の加工食材を紹介する。『李王家 スンドゥブチゲ』(容量300g、税抜希望小売価格550円)だ。

第38回「韓国の有名鍋料理の素『李王家 スンドゥブチゲ』」_b0427926_14543300.jpg

「チゲ」は韓国語で鍋のこと。だから“チゲ鍋”は“鍋鍋”となるから変だというのは、韓国語あるあるだ。


「スンドゥブ」は何だろう。日本語で書くと「純豆腐」。ほらなんとなく分かるでしょ。それはともかく、“純豆腐鍋”とは何だろう。


「スンは韓国語で柔らかいという意味ですから“柔らかい豆腐鍋”ということです」と説明するのはアイ・ジー・エムの営業本部、二本栁聖美さん。


「韓国現地のサプライヤーから得た歴史や来歴をご紹介しますね。韓国の東海岸に江陵(カンヌン)という都市があります。西暦1563年、この地域のある地方官吏の家の井戸水は甘味があり、その井戸水と海水で豆腐を作ったところ、たいへん美味しい豆腐だと評判になり、『チョダン(草党)スンドゥブ』が有名になったということです」


 元来、チョダンスンドゥブはおぼろ豆腐状の豆腐に醤油をかけて食べるものだったが、首都ソウルに行って魚介系スープ風にアレンジされたという。


 続いて筆者が調べた来歴を紹介しよう。スンドゥブチゲは1990年代、米国に渡って、辛さを段階的に選べるなど、米国人向けに独自のスンドゥブチゲに進化。米国の様々な都市にあるコリアタウンで人気メニューとなった。一方、2000年代に入ってから日本で普及し始め、今では有名な韓国鍋料理の1つになった。


 アイ・ジー・エムが同製品を発売したのは2011年。


「発売したきっかけは、その当時、外食で少しずつスンドゥブチゲが出始めたからでした。一般的な韓国の鍋料理は、大鍋をみんなで囲んで煮ながら食べるものですが、スンドゥブチゲは小型の土鍋、トゥッペギと言いますが、それに入れて煮込んでから提供する“個鍋”です。だから、1人で好きに食べられる鍋として、女性を中心に外食ランチとして人気が出てきました。発売するグッドタイミングでした」


 もう1つ、日本において豆腐が非常にポピュラーな食材であり、日本人にとってスンドゥブチゲは親和性の高い料理であるということから開発に着手したという。


「日本で販売するため、日本のお客様向けにかなり改良を行いました。韓国人は肉系や魚介系が複雑に交じり合った味を好む傾向が強く、本場のスンドゥブチゲも同様です。そのまま日本市場に出しても分かりにくいということから、魚介系のスープを好む日本人向けに、あさりの出汁が際立つようにしました。当時、あさり出汁を前面に出したスンドゥブチゲは弊社だけのオリジナルバージョンでした」


 作り方は簡単だ。小型の土鍋に濃縮スープと水を入れ煮立たせる。そこに豆腐やお好みの魚介類、長ねぎや白菜などの野菜を入れて火が通ったら生卵を落とす。そして、唐辛子粉を適宜振りかける。


「お客様からの声として多いのは、『濃厚なあさりの出汁の旨みが効いていてとても美味しい』、『自分で作れない本格的な味が家庭でも楽しめる』などです」


 さらに様々なアレンジ料理にも応用できると二本栁さん。


例えば、お好みの具材とうどんを煮込む「スンドゥブ煮込みうどん」、加える水の量を半分に減らして豆腐や豚肉などと一緒に炒めて白飯に載せる「スンドゥブ丼」、バターと豆乳を加えてお好みの具材を煮込んだ「スープパスタ」、トマト缶を加えた「あさりトマトパスタ」。


「そのほか、グラタンソースやパエリアの味付けなど、あさりの出汁の旨みが効いているからこそ可能な様々な料理にアレンジできます」


可能性は限りない。



FROM THE WRITER


「最近の1枚」いや2枚。今回は「神田川・環状七号線地下調節池」である。


 東京を西から東へ貫く神田川は、三鷹市の井の頭池に端を発し、善福寺川や妙正寺川と合流し、最終的に隅田川に注ぐ延長24.6kmの一級河川で、流域は杉並区、中野区、新宿区など2つの市と13の区にまたがる。


 この河川はこれまで台風や大雨の影響でたびたび氾濫し、周辺の街を水浸しにしてきた。そこで行政は中小河川整備事業の一環として、氾濫の危険が迫った時に溢れる川の増水を“逃がす”調整池を、地域を南北に貫き前述の3つの川と交差する環状七号線の地下に作った。


 アサヒが住むのは環七と善福寺川が交差する場所の近く。ここに善福寺川取水施設があり、文字通り、増水した川の水を取り込む、つまり地下池に逃す機能を持っている。


2月上旬にこの地下池を見学した。池は地下43メートルにあり、見学者は階段もしくはエレベーターで降りる。


 潜水艦の隔壁扉のような頑丈な扉を抜けて出たのは、写真のような巨大なトンネル。照明は一切設置されていないので、ガイド役の男性2人が持つ強力なライトだけが見学の頼りだ。


 43m上にはのべつ幕なしに車が疾走する環七。だが、この空間には全く音がない。当たり前の話だ。

第38回「韓国の有名鍋料理の素『李王家 スンドゥブチゲ』」_b0427926_14550865.jpg

 限りなく続くように見えるトンネルと見ていて思い出したのが、かつてのアメリカSFテレビドラマ『タイムトンネル』(1967年。NHK)。当時9歳のアサヒは微かに見た覚えがある。


 もう1つの見学者の写真を見ていて思い出した。映画『エイリアン』だ。真っ暗闇の中をライトだけが動き回る。これはロケ地にピッタリだ。依頼が来るかも(いや、すでに来ているかも)。

第38回「韓国の有名鍋料理の素『李王家 スンドゥブチゲ』」_b0427926_14551483.jpg

アサヒ


by toshi2022asahi | 2024-03-01 15:01 | Comments(0)

フードライターの旭利彦です。 筆者はスーパーマーケット専門誌『週刊ストアジャパン』で、食品を紹介するコラム「注目! フーズ&ドリンクス」(月1回)を執筆しています。2012年にスタートし多くの加工食品を紹介してきました。 このブログでは加工食品をいろいろな視点から深掘りします。


by アサヒ