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第40回「美味しくて体に良いきな粉ペースト『薬売りのねりきなこ』」

 今回の主役は「ねりきなこ」である。要するに練ったきな粉、きな粉ペーストのことだ。


 まず試食した。きな粉と言えば、砂糖を混ぜたものを餅にからめた“きな粉餅”を子どもの頃よく食べた。


 で、久々にきな粉と対面した。ペースト状は初めての体験だ。小さじに掬ってなめた。あれ? 記憶の彼方のきな粉餅のきな粉と違う。あれは粉っぽい上に砂糖自体の食感も露骨に感じられた。


 しかし、『薬売りのねりきなこ』は粉は粉だが粉っぽくない。舌触りが非常に滑らかだ。そして、甘さがとても控えめで上品。代表的な食べ方であるトーストに付けて食べた。美味い。


「トーストだけではありません。バケットや餅、団子などに塗ったり、ホットミルクや豆乳、味噌汁などに混ぜたり、クッキーやケーキの材料にもとてもよく合いますよ」と言うのは、千金丹ケアーズ株式会社(香川県高松市)本社販売部の松浦睦夫さん。


 「『ねりきなこ』は『薬売り』シリーズとして『ねり黒ごま』のリニューアルと同時に発表し、現在は中核商品となっています」


 話を整理しよう。まず会社の歴史から。千金丹は明治8年(1875年)、四国 高松で創業。腹痛や胸やけの薬「岡内千金丹」の行商販売を生業としていた。明治30年(1897年)頃には1,000人を超える売り子が全国を行商するまで発展した。それが千金丹ケアーズの前身だ。


「薬の行商は平成まで続きましたが、その後は『食と栄養であなたに健康を』を理念に、素材本来の味と栄養を大切にした食品を、管理栄養士である弊社社長が中心となって開発することになりました」


 まず従来よりあった黒ごまのペーストを『薬売りのねり黒ごま~はちみつ入り』と『薬売りのねり黒ごま~砂糖不使用~』として「薬売り」を冠してリニューアル。


 「基本としたのが乳化剤や香料、化学調味料などの添加物を加えないこと。『はちみつ入り』は小豆島で製造した炒り黒ごまにはちみつ、食用植物油脂、加工黒糖、『砂糖不使用』は同じ黒ごまに還元麦芽糖、食用植物油脂だけを使用しています」


 黒ごま由来の栄養成分「セサミン」も摂取できる健康に良い商品だ。これが30年近く、同社を支え続けてきた基幹商品である。


「しかし、企業として販売を拡大するのが使命です。それには新商品の開発が急務となります。そうした中で弊社の商品開発コンセプトである『美味しくて健康に良い』素材として、植物性たんぱく質が豊富で味の面でも幅広い年齢層から支持されている『きな粉』に着目しました」


 黒ごま商品を踏襲し、きな粉もペーストを想定した。マーケティングをしたところ、数種類の商品が市場に出ていた。試食したが、きな粉の風味より油っぽさが際立ち、美味しいと思えるものはなかったという。


「そこで、管理栄養士の社長が中心となって、自分たちが美味しいと思えるきな粉ペーストを作る開発チームを立ち上げました。様々な種類のきな粉を用いて試作を繰り返す中、原料として選んだのは『京きな粉』と呼ばれる焦がし焙煎を施した風味の強いきな粉で、これにより他社にはない香ばしい香りを手に入れることができました。また、油っぽさについても製造現場からの提案によって独自の製法と配合の工夫で改善できました」


 発売は202091日だが、202321日にリニューアル発売した。容量は95g、税別小売価格は590円。

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 焦がし焙煎きな粉にはちみつと黒糖をていねいに練り合わせ、香ばしいきな粉の香りと自然な甘さが特徴だ。栄養成分の大豆イソフラボンも享受できる。原材料は遺伝子組み換えでない北海道産大豆、菜種油、はちみつ、還元水飴、ショートニング、加工黒糖、食塩、大豆イソフラボン。


「以前、ある大手食品卸の展示会に出展した際、バイヤーに試食提供を行っていたところ、口コミで試食に訪れる方が増え、口を揃えて『すごく美味しいきな粉の商品があると聞いてきた』とおっしゃるのです。すごく手ごたえを感じました」と松浦氏は胸を張る。


 現在は、DEAN & DELUCAや東急ストアの一部店舗で販売している。


最新情報を1つ。2023111日、新商品として『薬売りのアーモンドカカオ入り』が発売された。容量75g、税別小売価格780円。

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「美容と健康に良い食材として注目されるアーモンドを主原料として用い、砕いたアーモンドの上にビターな風味を楽しめるカカオ風味のアーモンドペーストを上掛けしました。食感はもとより、見た目にも新鮮なペーストです。ペーストといってもこれまでの“塗る”という感覚よりは“載せる”という言葉がぴったりくるかもしれません。トーストに載せる、クラッカーに載せる、バニラアイスに載せる、工夫次第で新しい味が楽しめると思います」



FROM THE WRITER


(1)

 今回の2枚は39日にオープンした石川県アンテナショップ『八重洲いしかわテラス』だ」。

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 今年1月に発生した能登半島地震で石川県は甚大な被害を受けた。石川県の観光関係者にとっては“出鼻を挫く”大事件だった。


 というのも、北陸新幹線の金沢(石川県)~敦賀(福井県)の延伸開業が316日で、それを盛り上げようと、1週間前の9日にアンテナショップを開業する予定になっていたからだ。


 予定通り、アンテナショップも北陸新幹線延伸も無事に開業。アンテナショップは被害を受けた石川県を支援できるのは“お金を落とすだけ”と考えた客が大勢訪れたという。


 ショップ内には延伸開業をPRするブースや「復興応援ブース」が設置され、応援ブースには能登の地酒や食品、輪島塗などの工芸品が販売された。


 アサヒはオープンから半月経った324日に訪れたが、日曜日の午後ともあってそこそこの入りだった。

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 場所はJR東京駅八重洲口を出て、東京ミッドタウン八重洲やヤンマー東京と同じブロックにある。


(2)

 アサヒが2つの食品コラムを連載しているスーパーマーケット専門誌『週刊ストアジャパン』2024325日号に、「デパ地下のクオリティにスーパーマーケットの利便性が備わる」と題する記事が載った。それを転載する。


231124日、都心の人気エリアに鳴り物入りで開設された大規模複合施設「麻布台ヒルズ」の商業施設・専門店ゾーンが充実してきた。開設当初は専門店81店舗でスタートし、最終的には150店舗が入店する予定。313日にオープンした麻布台ヒルズマーケットで、食のゾーンがほぼ完成し、近隣地区生活者の利便性に寄与すると共に、広域からの来店客にも満足してもらえる専門店がラインナップし、充実した品揃えになった。


 すべての専門店ごとに厨房または加工場が備わっており、すぐに食べられる出来立ての商品を提供している。イートインに対応している店は、中華料理・惣菜の富麗華キッチン、エスニック惣菜のカムバイスタンドバインミー、洋惣菜のパーラー矢澤、ミシュランガイド東京で三ツ星を連続取得している鮨さいとう、焼き鳥の鳥おか、洋菓子のラニギロ、キャビア、シーフードのブルニエアール デュキャビア フランセなど。


 同所では、出店する専門店同士が、食を軸としたコラボ活動を展開する。24年春オープン予定の食堂ではマーケットに出店する店舗同士が一緒になって作り上げていく計画で、初年度は「だし尾粂」が運営する。


 ポップアップストアスペースも内在されており、日本全国の食の美味しいもの、ワクワクする食の体験を紹介していく。期間限定のスペシャルな味を堪能することが出来る。


 34店舗のうち12店舗で麻布台ヒルズマーケット限定商品を提供。菜園や中央広場なども活用し、食育やワークショップなど、街全体で学び、発見、体験できる場を設けていく。〉


アサヒ


by toshi2022asahi | 2024-04-01 08:00 | Comments(0)

フードライターの旭利彦です。 筆者はスーパーマーケット専門誌『週刊ストアジャパン』で、食品を紹介するコラム「注目! フーズ&ドリンクス」(月1回)を執筆しています。2012年にスタートし多くの加工食品を紹介してきました。 このブログでは加工食品をいろいろな視点から深掘りします。


by アサヒ