第68回「『麻辣めんたい粉』顆粒状 明太子に花椒と唐辛子をプラス」
2025年 07月 30日

井口食品の前身である海産物問屋「大和屋商店」が福岡県甘木市に創業したのは1934年(昭和9年)。以来、九州産の海産物をメインに海苔やふりかけ、だしの素などを製造販売してきた。株式会社として設立されたのは1986年(昭和61年)だ。
同社は月に1回、社内で開発会議を行っている。そこでの話だ。
「ある日、当社の売れ筋商品である『麻辣めんたい粉』を横展開、シリーズ化したいという話をしている中で、それなら『麻辣めんたい粉』はどうだろうということになり、開発することになりました」(担当者)
まず『博多辛子めんたい粉』(容量50g、税抜希望小売価格300円)の説明をしなければならないだろう。
「粉になっている明太子です。博多名物の辛子明太子にでん粉などを加えて、乾燥して顆粒状にしたものです。明太子マヨネーズや明太子パスタ、タラモサラダなど明太子を使った料理を手軽に作れるアイテムとしてお客様に指示されている弊社の定番商品です」
なるほど便利な商品だ。開発会議で、これをベースに新商品を開発することが検討された。
「で、試作を始めました。様々なフレーバーを添加して、ゆず味やバター味など約20種類ほど試しました。でも、どれもこれも『博多辛子めんたい粉』自体の良さ、特徴が薄れている感じでした。そうした試行錯誤を経て、めんたい粉の良さを残した上で、辛口バージョンにすることにしました。というのも、理由の1つとして弊社の商品に大人向けのふりかけがなかったこと、もう1つの理由が麻辣ブームの到来でした」
麻辣ブームに至る時代背景について、井口食品がしっかりリサーチしている。2010年に「食べるラー油」ブームが起こった。2018年には「麻辣」ブームに火が付き、「花椒」も注目された。2021年には「麻辣グランプリ」が開催されるほどの過熱ぶりで、食品メーカーはこぞって麻辣商品を市場に投入した。
ちなみに「麻辣」とは「花椒」(かしょう、ホワジャオ。中華山椒のこと)と唐辛子からなる中国の調味料である。
「2022年4月25日に『麻辣めんたい粉』の第1回試食が行われ、以降、様々な味違いサンプルを作り、6回にわたって試食を行いました。この過程でどんどん辛くなっていき、最終的に『パッケージに激辛注意って入れないといけないねー』というところまで来てしまいました。どうせ辛口を作るなら、中途半端な辛さでは特徴がないということで、激辛まで突っ走りました」
激辛ブームの中、世の中全てが辛さを追求する傾向にある。
「ただ、私個人としては『それはどうかな?』と思いました。というのも、私は辛い物が苦手で、開発中に同業他社の麻辣関連商品をたくさん試食しなければならず一苦労でした。苦手だからこそ、単純に辛いだけでなくて、辛味の中に旨味を感じられる商品が良いという意見を開発会議に出し、それが受け入れられました」
開発期間は2年間。発売は2023年8月21日。『麻辣めんたい粉』の特徴は大きく分けて次の通りだ。
⓵振りかければ本格中華=市場に出回っている麻婆豆腐や麻婆春雨の素はどのような人でも食べられるように中辛もしくは甘口になっている。『麻辣めんたい粉』を振りかけることで本格的な中華風味が楽しめる
⓶自分だけの激辛料理=おでんや鍋など取り分ける家庭料理で、辛い味を楽しみたい人は自分用に取り分けた器に『麻辣めんたい粉』を振りかけることで自分だけの激辛料理が楽しめる
⓷汁なしカップ麺もオリジナル激辛麺=年間40億食の巨大市場を誇るカップ麺も『麻辣めんたい粉』を振りかけるだけで本格的な麵料理になる。特に焼きそばや油そばなど、汁なしカップ麺がお勧め
